兄弟のお兄さん役が撮影終了直後に溺死というエピソード込みで見ると、また違う情緒が沸いてくるロシア映画。
ストーリーはもちろんトレイラーでも弟の方に重点が置かれており、パッとした感じ弟が主役かと思われるが、ラストに向かって(というより、ほとんどラスト近くのみ)兄貴の妙な存在感がニョキニョキと現れる。
このことはDVDの特典映像で監督自身が語っていて、兄貴役の彼のオーディション場面も流されるのだけど、これまたすんごく浮世離れした印象。まさに天才子役というかんじの弟役とは反対の印象といっていいと思う。
父親に反発する弟に対して父親に媚びる兄貴のコントラスト。ラスト前、弱々しくもうろたえる弟に対して急にゆるぎのない行動力を発揮する兄貴。やっぱ兄貴ってすごいよ、長男って影を持ってるよって思わせる。